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フォークリフトの年次点検とは?法的義務やおすすめ業者!

2024年12月19日

物流業務にフォークリフトは欠かせない存在ですが、安全安心で長く使うためには日々の点検や定期的な検査が必要で、フォークリフトの点検や検査は法律で義務付けされています。

本記事では、フォークリフトの年次点検についての基本解説や、業者に依頼する際の注意点などを解説していきます。

フォークリフトの点検には法的義務がある

フォークリフトの点検や検査は「労働安全衛生規則」という条文に基づいて法的点検として義務付けされています。

労働安全衛生法

労働安全衛生規則とは、厚生労働省が制定した省令で、労働者の安全と健康を確保し快適な職場環境を形成することを目的とした労働者のための法律です。

フォークリフトを使った業務では、フォークリフトの操作や故障などによる事故や災害が起こる可能性があります。

これにより労働者の安全と健康、快適な職場環境の形成が脅かされる可能性があることから、これを防ぐためにもフォークリフトの点検や検査は、労働安全衛生規則に基づいた法的点検が義務付けされているといえるでしょう。

フォークリフトの法的義務がある点検や検査は、「特定自主検査」と呼ばれており、この特定自主検査には3つの種類があり、年次点検も特定自主検査に含まれています。

年次検査

1年を超えない期間ごとに1回行う自主検査で、検査に加えて、記録の保存、フォークリフトへの検査標章の貼付けなども義務付けされています。フォークリフトの年次検査は、有資格者、または検査業者でないと検査が実施できません。

年次検査で必要な検査項目
  • 原動機の異常の有無
  • 動力伝達装置の異常の有無
  • 走行装置の異常の有無
  • 操縦装置の異常の有無
  • 制動装置の異常の有無
  • 荷役装置の異常の有無
  • 油圧装置の異常の有無
  • 電気系統の異常の有無
  • 警報装置、方向指示器、灯火装置および計器の異常の有無

外側から内側までフォークリフトのあらゆる個所の検査が必要となります。フォークリフト用の車検をイメージすればわかりやすいです。

検査記録を記載しそれを3年間保存すること、特定自主検査を実施した年月を明らかにする検査標章をフォークリフトに貼付すること、これらのことも義務付けされています。

月次検査

1ヶ月を超えない期間で1回の自主検査を行います。こちらの定期自主検査の記録も3年間保存する義務があります。

月次検査で必要な検査項目
  • 操縦装置の異常の有無
  • 制動装置の異常の有無
  • 荷役装置の異常の有無
  • 油圧装置の異常の有無
  • ヘッドガードおよびバックレストの異常の有無

年次検査に比べ細かくはありませんが、フォークリフトが稼働する上で欠かせない箇所であったり、事故や災害を防ぐために必要な個所を検査するので、精度の高い検査が必要とされます。

始業点検

主にフォークリフトを使った作業開始前に行う点検のことを指します。

作業開始前に実施する目的として、事故や災害の低減、休車時間の短縮、コスト削減などがあり、作業開始前点検を習慣化することで不具合を早期に発見し、作業中の故障や不調を減少することも目的としてあります。

フォークリフトの事故や災害を防止するためにも日々怠らず点検を行いましょう。

始業点検で必要な点検項目
  • 制動装置および操縦装置の機能
  • 荷役装置および油圧装置の機能
  • 車輪の異常の有無
  • 前照灯/後照灯/方向指示器および警報装置の機能

フォークリフトの始業点検には手順があり、以下は始業点検の手順となります。

  1. 点検前の安全確保
  2. 外まわりの点検
  3. エンジンルームの点検
  4. 車上での点検
  5. バッテリー式であれば充電器の点検

点検中にも事故や災害のリスクは少なからずともあり、リスクを防ぐためにも手順を遵守することが大事です。

特定自主検査を怠ると罰則や行政処分も

フォークリフトの特定自主検査を怠ると、罰則や行政処分が科せられる可能性があります。

フォークリフトの特定自主検査は、運転者や作業者の安全を確保することを目的としているため、これを怠ることで労働安全衛生法の違反に該当し、50万円以下の罰金が科せられる可能性があります。

また、特定自主検査を実施しないままフォークリフトによる事故や災害が発生した場合、罰金や労働保険の支払い停止、操業停止や書類送検などの行政処分が科せられる可能性もあるので、事故や災害を防ぐ目的はもちろんのこと、罰則や行政処分を科せられないためにも、特定自主検査を怠らないようにしましょう。 

年次点検は業者に依頼するのが基本

始業点検は、フォークリフトをこれから使うための点検なので、日々自社で取り組むことが基本ですが、年次検査の場合は、一般的に専門業者に依頼するのが基本です。

年次検査には資格が必要

年次検査を行うには、検査業者検査員の資格が必要です。年次検査のような特定自主検査を実施できる資格は、この他にも事業内検査者という資格がありますが、こちらの場合、自社が保有するフォークリフトのみを検査できるというものです。

フォークリフトの検査や修理を承る業者は、検査業者検査員を保有していて、また、検査時に不備があった場合はそのまま修理もしてくれるので、資格が必要となるフォークリフトの年次検査は資格を保有している業者に依頼するのが基本的な流れとなります。

記録表や検査済標章などの事務的業務

フォークリフトの年次検査では、検査に加えて特定自主検査記録表の作成と保存、フォークリフトへの検査標章の貼付けなど、検査や修理以外の事務的な業務も必要です。

年次検査で必要となる特定自主検査記録表は、検査を実施した際の内容を記録しておく表で、業者に検査を依頼することでこれら事務業務も代行してくれます。

業者を選ぶ際の注意点

フォークリフトの年次検査は業者に依頼することが基本ですが、業者を選ぶ際にはいくつかの注意点が必要です。

  • 資格を持っているか確認
  • 自社の距離は近い方がいい
  • メンテナンスプランの確認

業者と自社との距離が近い方が、移動距離が近い分検査期間も短いです。また、業者との距離が近いことで日々のメンテナンスや緊急時の検査や修理にも対応してもらいやすいです。

業者によっては、特定自主検査の代行以外にも、細かいメンテナンスから重点的なメンテナンスまで、幅の広いサービスを提供している業者もあります。

メンテナンスのプランが多いほど、それだけ幅広いサービスを提供できるだけではなく、メンテナンスや修理後のアフターサポートも充実していることもあります。

検査業者を選ぶ際は、資格を保有しているかの確認に加え、業者との距離やサービスの充実度にも注目しましょう。

フォークリフトの年次検査は三田産機株式会社に!

本記事では、フォークリフトの年次検査についての基本解説や、検査業者選びについて解説しました。フォークリフトの特定自主検査を怠ると罰則や行政処分を科せられる可能性があるので注意が必要です。

フォークリフトの点検や検査は、事故や災害を未然に防ぎ、労働者にとって適切な職場環境を作ることを目的とした法的義務ですが、それだけでなく、物流業務を捗らせ自社に利益与えるという面でも大事です。

年次検査などの特定自主検査では検査の他にも書類作成や保存が義務付けされているので、検査から書類作成及び保存までを一括で代行してくれる専門業者に依頼するのが基本です。

三田産機株式会社では各種フォークリフトを新車・中古車問わず取り揃えており、フォークリフトの法定点検はもちろん、修理やメンテナンスの相談や実施も提供しています。

扱うフォークリフトも、バッテリーフォークリフトは、カウンタータイプ・リーチタイプ・ラックフォークタイプ、更には無人フォークリフトまで取り扱っており、車種も幅広く取り扱っているので、あらゆる用途に対応可能で、フォークリフトに関するサービスの実績も十分です。

指定修理工場でもある当社は、中古車のメンテナンスも万全なので、きっとご満足いただけることでしょう。